新しいアクアが発売されました。さっそくディーラーの店頭にもアクアが並んでいます。
私は何の魅力も感じていませんが、ヤリスが売れている今、トヨタには勢いがあります。
アクアは販売開始をして10年が経過していますから、アクアが好きで乗っていた方が、再びアクアに乗り換えるという需要はあると思います。
また、ヤリスのスポーティーさに馴染めない年配の方には受け入れられるでしょう。いずれにしても、FITには厳しい状況が続きますね。
- アクアとヤリスの違い
- アクアのコンセプトは「中途半端?」「八方美人?」
- バイポーラ型のニッケル水素電池はむしろアクアに搭載すべきだろう
- 今時なのにオートブレーキホールドは装備されていない!
- むしろパワーシートって必要なのかな?と思ってしまいます。
- 10年経った今でも月に2400台が売れていた
アクアとヤリスの違い
簡単にいうとボディサイズはアクアの方が少し大きいです。(いずれも5ナンバーサイズです) スポーティーなルックスではないので、落ち着いたデザインと言えます。
しかし、燃費性能などはヤリスと大差はありません。むしろハイブリッドならヤリスの方が燃費が良いぐらいです。てっきり年配の方でも運転しやすいようにアクアの方が最小回転半径は小さかったりして...と思いましたが、こちらもヤリスの方が上でした。0.1mの差ですけれど。
グローバルモデルのヤリスと、日本専売(記事執筆時点)のアクアとで、ユーザーがどのような反応を見せるのかが今から楽しみです。
いずれにしても、ヤリスとほぼ同じ大きさのコンパクトカーですから、現在のヤリスの売り上げが下がるのか、それともノートやFITの市場を脅かすのかが楽しみです。
アクアのコンセプトは「中途半端?」「八方美人?」
ヤリスはスポーティーという明確なコンセプトで作られ、それが市場に受け入れられたと思います。それに対してアクアは「キープコンセプト」で出てきました。といっても、元々のコンセプトって???ハイブリッド専用車として発売されたアクアですが、すでにヤリスも含め専用車でなくてもハイブリッドは多数存在します。アクアの存在意義すら微妙ではないかと、私なんかは考えてしまいます。
もっと高級感を持たせて、ノートの市場を脅かすぐらいの狙いが明確な方が良かったのではないだろうか?とか、ノートよりもより新しい装備で先進性を狙った方が...とか思ってしまいますが、それによりコストが上がってしまうと、これまでのアクアからの買い替え需要はそれでは拾い上げることはできなくなってしまいます。
ホームページを見ていると、「どんな人にも、どんな時にも、いい。」と書かれているので、八方美人的なところがコンセプトなのでしょうか?いや、むしろ、中途半端なところ(トヨタのラインナップの隙間需要)が狙いでしょうか?
高級コンパクトとしては(少々微妙だと思っていますが)カローラが位置し、スポーティーコンパクトとしてはヤリスやパッソが位置します。SUVとしてはライズやC-HR、RAV4があり、積載性を考えるならルーミーやシエンタが選べます。そのどれかではなく、どれも選べないような日本人的発想の人たちの落とし所が「アクアなのではないか」と思いました。
そして、そういう方が多いからこそアクアという車が受け入れられるのかもしれないと思いました。実際のところは知らんけどw
ファミリーカーとして考えると、優しい印象の見た目とほどほどの積載性は、受け入れられやすいと思いますし、特徴が薄い分、全てをほどほどにこなすアクアは選びやすいのかもしれません。
バイポーラ型のニッケル水素電池はむしろアクアに搭載すべきだろう
今回のアクアは、ヤリスのハイブリッドと同等のパワートレーンになりますが、バッテリーが従来のリチウムイオン電池からバイポーラ型ニッケル水素電池に変わっています。
細かいことは抜きにすると、同じ出力ならば小型になります。
今回のアクアがバッテリー容量を従来と同じとしていれば、明らかに小型軽量化に寄与していますし、同じ容量であれば従来のアクアよりもバッテリー容量が大きくなります。
わかりやすいところで言うと、燃費に効いてくると思いますが、ヤリスハイブリッドと比較して大きく変わりませんから、すごい技術なのかもしれませんが、あまり恩恵を受けていないのではないかと思ってしまいます。
それならば、むしろスポーティーなヤリスの方に、小型軽量化したバッテリーを搭載して、より軽快な走りを実現してもらった方が良いのではないかと思います。
アクアに走りを求める人ってそもそもそれほどいないでしょうから。
今時なのにオートブレーキホールドは装備されていない!
なんと!!
このタイミングでリリースされた車なのに、アクアにはオートブレーキホールドは付いていません。
私がGOLF7を購入した時の、買ってよかった便利装備の一つとして挙げていたオートブレーキホールドは、運転時の疲れを大きく軽減してくれる素晴らしい装備です。
最近であれば、フィットやノートなどの他社のコンパクトカーにも装備されています。
ヤリスには搭載されていないので、アクアには搭載して差別化してくるのではないかと思っていましたが、残念ながら搭載されませんでした。
コスト面の問題なのでしょうか?その辺はよくわかりませんが、これほど便利な機能をあえて装備しないのは非常に残念です。
誰もオートブレーキホールドを嫌う理由はないでしょう。アクアは短距離で渋滞にハマる様な事が無いので疲れを軽減する必要はない!なんてことは言えないと思います。
そうなるとやはりコストでしょうか。私なら追加コストを払ってでもオートブレーキホールドを装備して欲しいと思ってしまいます。
今後買う車に、オートブレーキホールドが付いていないのは考えられないです。(中古車でネオクラシックカーでも買わない限りは...)
本当に近所の買い物だけ...なんて人ならいいですが、長距離を乗る事がある人は、アクアの購入を少し考えた方が良いと思います。だって装着されているのと装着されていないのとでは疲労感は全然違いますから。
むしろパワーシートって必要なのかな?と思ってしまいます。
確かに複数人が運転する場合、毎回シート位置を直さなければならないのは不便です。我が家も私と妻とで身長差があるために、都度都度シート位置とハンドルのチルトを直しています。
アクアにはパワーシートが装備されますが、メモリー機能はありません。
メモリー機能がないと言うことは、都度都度パワーシートで位置を直さないといけなくなり、無段階で動作するパワーシートだと返ってポジションが毎回変わるのではないかと思います。
先代から引き継いで装着しているのでしょうが、これこそコストを下げるために削って良いのではないかと思ってしまいます。
これははっきり言って無駄な機能ですね。
10年経った今でも月に2400台が売れていた
新型アクア発売前の6月時点でも月に2400台以上も売っているアクアですが、ヤリス全体(GR、クロス含む)の1.4万台のシェアを削らずに増やすことができるのか!?8月末時点でどうなっているか期待です。
ヤリスのシェアを削らずに、他社のシェアを削ってくる様ならばすごいことです。
そうなると、月販TOP10はトヨタ車のみになっちゃいますから、そうならない様に、他のメーカーにも頑張って欲しいところです。