先にお伝えしておきますが、私はフィットが好きです。実家で初代と二代目フィットに乗っていました。特に初代が良かったと感じました。(FIT 1.5Tの味付けが好きでした)
しかし、現在は同じコンパクトカーの中でも、トヨタ ヤリスと日産 ノートにおされています。
ヤリスもノートも嫌いではないですが、一番無難なデザインにみえるフィットが、この3台の中では一番売れていません。
私なりにフィットが売れていない理由を考えてみました。
2021年1月・2月の販売台数
出典:乗用車ブランド通称名別順位 | 統計データ | 一般社団法人日本自動車販売協会連合会
一位は不動のヤリス、二位はルーミー、三位はアルファードとトヨタが上位を抑えていますね。その下もカローラ、ハリアーとトヨタが強いです。ヤリスはヤリスクロスも含まれるので、SUV人気も後押しになっていると思われます。
その下で、日産 ノートとトヨタ ライズが接戦です。
しかし、フィットはここに絡みません。
さらに下の方で、一月は十位、二月は十二位と沈んでいます。
二月でいえば、同胞のフリードよりも少ない台数です。
実際に、私が街中で見るのもヤリスが多いですし、新型ノートはちらほら。
その新型ノートと同レベルで少ないのがフィットです。旧型はよく見かけたのに...
しかし、現在のフィットのデザインは落ち着いていて、良い意味ですごくベーシックで、年配の方にも若い方にも売れそうな気がするのです。なのになぜ売れないのでしょうか?
私なりに考えてみました。
問題は価格なのか!?
まず、問題は価格にあるのかな?と思って調べてみました。
最安 | 最高 | グレード数 | ||
ホンダ | フィット | 156 | 254 | 20 |
日産 | ノート | 203 | 250 | 9 |
トヨタ | ヤリス | 140 | 249 | 18 |
しかし、最安値はヤリスほどではないにしても、安価なグレードはありますし、最高値は確かに一番高いですが、大きな差があるほどではありません。グレード数も多いとはいえ、4WDを各グレードに設定してくれているだけであり、ややこしいということはないと思います。
ですので、価格がネックということはない様に思います。
私が考える売れない「理由」
流行りのSUV
フィットはすごく好きですし、今回のフィットはすごくベーシックでありながらも、CROSSSTARという今どきなSUV風なデザインのグレードもあります。
ヤリスのヤリスクロスほどのいかにもなSUVではないにしても、流行りのSUVという意味では十分に良い印象の車だと思います。
出典:デザイン・カラー|スタイリング|フィット|Honda公式サイト
ヤリスにはヤリスクロスがあるので、それはそれで売れている理由の一つだと思います。
しかし、ノートにはSUV風の車はありません。SUVが含まれるか否かだけがフィットが売れない理由ではないと思います。
先進性が鍵!?
ノートにはSUVは無いですが、それでもフィットより売れています。それはe-POWERという先進性がポイントではないかと思います。
しかし、逆にヤリスには先進性はありません。むしろ電動パーキングなどノートやフィットでは当たり前の装備がなかったり...3気筒でエコであるのは分かりますが、先進性は感じないのにフィットより売れている...。
これも理由としては成り立たないと考えます。
車を買う際に選ぶのは男性?
そんなこともなくなってきている様です。というのも運転者の半分は女性になっているとか。
私も休日に運転していると、家族で車に乗っているのに、運転しているのがお父さんではなく、お母さんである光景をよく見ます。運転が好きな私からすると、信じられない光景なのですが、そういう方が運転している車の多くは、ワンボックスタイプか、軽自動車のワンボックスです。
スピードや格好良さというよりも、デザインとか使い勝手の方が優先されているのかなと想像していますが、そればかりではなさそうです。
可愛いものを好む男性が居る様に、格好良いものを好む女性も少なからずいます。
車好き=格好良い車 ですよね。
もちろんワンボックスが好きで、ワンボックスを格好良くしている方もいると思いますが。
そして、車を買うのは車好きばかりでは無いと思います。
今回対象のコンパクトカーは、格好良くも出来るし、便利に使うこともできます。
車に可愛さを求める人ももちろんいますが、格好良さと可愛さを同様に感じる人もいるのでは無いでしょうか?
例えばロードスターを可愛いという女性は多くいると思います。しかし、男性だと格好良いと感じますよね?そう考えると、総じて格好良さというのはキーワードとして外せないのかなと思います。
格好良さというと、ベーシックなルックスのフィットよりもスポーティーな印象をCMで植え付けたヤリスや、今までにあまりない斬新なルックスのノートの方が優位だと思います。
ベーシックさを求めすぎたのがフィットの敗因なのでしょうか?可能性としては十分考えられます。
格好良さはトップグレードに依存し、トップグレードの有無は重要な要素!
トップグレードといっても、フィットのリュクスは残念ながら豪華なグレードです。
ノートのAUTECHも豪華グレードに近いですが、AUTECHというイメージと、今後NISMOが出てくるであろうことからスポーティーさにも期待が持てます。
一方ヤリスには、みなさん既にご存知のGRヤリスがあります。WRC(世界ラリー選手権)で活躍していて、総合優勝の際にはニュースにもなっていたので目にした人は多いと思います。
そういったスポーティーな車のベース車だから「素性が良い」「性能が良い」という印象は誰しも持つと思います。だから、各メーカーはレースにも参戦しているのでしょうし。
可愛さや便利さでは軽自動車(しかも自社のN-BOXやN-ONE)で負け、格好良さはない...
特徴のない普通の車に成り下がってしまったことが、フィットの売れ行きが上がりきらない理由ではないかと思います。
かつてのフィットには「RS」というMTを搭載した走りのトップグレードがあり、RSがイメージリーダーのようになっていたと思います。その走りの良いイメージが今回のフィットにはない点が問題ではないかと思うのです。
実際にはとあるレースに出ていた現行フィットは、以下の様に格好良く仕立てられています。
最近ではコンパクトカーも軒並み底上げされて、大抵の車は素性が良くなっています。それにあわせて走りもよくなってきています。かつての輸入車コンパクトと比較しても遜色ないと思います。
無限のフィットも格好良いと思いますが、如何せんCVTで見た目だけ...という形になってしまいます。MTの「RS」グレードがあって、それをさらに無限のパーツで走行性能を高めたり、見た目を格好良く出来るならば、買おうと思う人も増えるのではないでしょうか?
そうなると、色々なところからパーツが販売され、ユーザーが勝手に格好良いフィットを作ってくれて、それを目にした人たちがフィットの格好良さに惹かれてディーラーに足を運ぶ。
車が売れる流れにはこういう部分は少なからずあると思います。
シビックはタイプRがそういう牽引役になって、シビックが売れる...といいたいところですが、如何せん価格が上がってしまいましたから、年収の少ない人には手が出しづらい車になってしまいました。しかし、そこを埋めるのはかつてのシビックサイズであるフィットなのではないでしょうか?フィットの下はN-ONEが「RS」で6MTを搭載しているのですしね。
タイプRとは言いませんが、かつての「Si」かつての「RS」といったグレードの復活を期待しています。1.5L VTECエンジンとかでタイプRが出たりしたら相当話題になるのでしょうけどね。現実的なのは、1.0L ターボのVTECエンジンあたりでしょうかね?