出典:MAZDA MX-30|ハイブリッド クロスオーバー SUV|マツダ
面白い国産車が目に付きました。
マツダのMX-30は、珍しく後席が観音開きドアのSUVです。この形状のドアは私の知っている限りRX-8とR55のMINIクラブマンぐらい。
そんなMX-30の魅力について見ていこうと思います。
- マツダ ハイブリッド クロスオーバーSUV MX-30
- 夫婦二人で時々後席を使う人にはストライクなMX-30
- 大きすぎないボディーサイズで奥様も安心
- SUVだから楽なコンビニでの駐車、タワーパーキングもOKな全高
- 落ち着いたフロントフェイスが大人っぽい
- 上品な内装はカラーリングもオシャレだし、センターコンソールが特徴的
- エンジン e-SKYACTIV G はもう少し燃費を頑張って欲しい
- 単純にSUVブームに乗っただけの車なのか?
- EVを待たずにe-SKYACTIVE Gを買った方が良い理由
- CX-30の出来も良いので、同一メーカー内でシェアの取り合いにならないだろうか?
マツダ ハイブリッド クロスオーバーSUV MX-30
まず、デザインが私のツボにハマりました。これは3トーンのカラーリングで見積もりシミュレーションをした時の画像になります。BOSEサウンドシステムや安全装備、快適装備、360度カメラなど全て搭載して、2WDなら300万円強で4WDならば330万円弱という価格帯も高すぎという印象は受けません。
安全装備・快適装備が付いてこの見た目でこの価格なら納得できるSUVだと感じました。
夫婦二人で時々後席を使う人にはストライクなMX-30
夫婦二人で、時々後席を使う人ならばこのドア形状は最適だと思います。
夫婦二人ならば2枚ドアでもと思うかもしれません。しかし、3人目が乗ることは珍しくないと思いますし、荷物を載せたりするのにも後席は使うこともあるでしょう。
2枚ドアだと荷物の載せ降ろしも面倒ですし、3人目が乗るシチュエーションだとかなり不便に感じると思います。そういう時にこのフリースタイルドア(観音開きの後席ドア)であれば、普通の4枚ドアよりは面倒だと思いますが2枚ドアよりは快適です。ただ、高齢者が乗る機会がある様な場合はこれでも厳しいと思います。
私も普段は二人で乗るのですが、3人目、4人目が乗ることはあります。頻度こそ低いのですがその際に後席ドアがあるのは安心出来ます。
また、人は乗らなくても買い物をした時には後席シートの上や足元に荷物を置くことが多いですし、撮影に行く時はカメラを後席にしっかり動かない様に置いています。
そう言った時に2枚ドアでは不便だと感じることもあると思います。
また、機械式駐車場や幅の狭い駐車場だと2枚ドアの車の大きなドアは怖いです。
私も以前ビートルが代車だった時に、危うく隣の車にぶつけそうになりました。
上記を踏まえると、シチュエーションによってはこのフリースタイルドアが便利に思うことが多々あると思います。
2枚ドアの車とは明らかに違うのです。
大きすぎないボディーサイズで奥様も安心
全長 | 4,395mm |
全幅 | 1,795mm |
全高 | 1,550mm |
最低地上高 | 180mm |
大きすぎないボディーサイズも良いと思いました。最近の車は大型化しているのと、女性の場合は特に幅が気になる人もいると思います。
今やカローラですら1,745mmです。しかし、全幅の広さは、狭い駐車場に止めた時や、すれ違いが困難な道でもない限りは気にならないと思います。私も以前は5ナンバー(1,695mm)で、その後1,760mm、1,800mmと徐々に大きくなりました。
私と同じ車に乗る妻も同様です。実家のマーチにしか乗っていなかったので、5ナンバー枠の車にしか乗ったことはありませんでしたが、今では1,800mmの車に乗っています。それも以前よりも頻繁に乗っているのです。
最初こそ怖いと感じていた様ですが、今となっては全くそんなことは言いません。
駐車場では、出入り口から遠い空いているところに止める様にしたり、狭い道は通らずに大回りをしたりというちょっとした発想の転換で怖さを感じることがないというわけです。これは私が最初に意識してその様な運転をしていたので、それを真似ているのですが、大きな車が怖いならば、大きな車で怖くない様に運転をすればいいということです。
自宅近くの道が、2台がすれ違えないほど狭いと言ったことがない限り、狭い道を避けることは可能です。小さい駐車場を避けることも可能です。広いところに行けばいいのです。そういう発想になれば怖くはありません。
後は、サラウンドビューを装着しておくことで安心が増します。
車を上から見下ろした映像がカメラに表示される機能です。これが装着されていると安心感は格段に増すと思います。
最近だと狭い路地の先をカメラに映してくれる機器もあります。
自動車メーカーによっては純正品もありますが、後付けも可能なので今の車に装着することもできます。
私の場合は、VWのサラウンドアイという360度カメラを装着しました。
しかし、現在では360度カメラを見るのは車を駐車場の枠内に入れられているか確認するときと、暗い場所でバックする時ぐらいです。
慣れてくれば徐々にそういう装備も不要になりますが、私も当初は想定していなかった使い方ではありますが、あれば便利に使えます。
結局は慣れなので、1,900mmなどの極端な大きさでもない限りは、気にせず運転できるようになるということと、1,795mmというMX-30のサイズはびびるほどの大きさではないことを覚えておいていただければと思います。
むしろ、複数人で乗車した時に室内が広くて快適に思う方が、結果的に大きなメリットと感じると思います。
SUVだから楽なコンビニでの駐車、タワーパーキングもOKな全高
SUVということもあって、最低地上高も180mmと高いのですが、最低地上高は全高と違って高いことによるメリットは大きいです。
全高が高いと立体駐車場で制限に引っ掛かることがありますが、最低地上高は低くても問題になることはありません。むしろ最低地上高が低いと、駐車場の車止めにひっかかってしまって、バンパーやエアロを割ってしまう可能性があります。
大型店舗で坂を上り下りする様な駐車場の場合でも、エアロをする可能性がありますよね?
MX-30の場合は最低地上高は高いので、コンビニへ入る際の段差で気になることはないですし、駐車場の車止めにぶつかる可能性もありません。
さらに全高も1,550mmと今時のタワーパーキングならば入れることができる高さなので安心ですし、何より全高の高い車と違ってカーブを曲がる様なシチュエーションで運転しづらいと感じることもありません。
SUV=パジェロみたいな図式で考えるとなかなか選びづらいですが、全高が高くないMX-30の様なSUVは、SUVのメリットと普通車のメリットの両方が享受できるのです。
落ち着いたフロントフェイスが大人っぽい
フロントフェイスがゴテゴテしておらず大人っぽいと思います。
従来までの、大きなグリルを持つマツダ車のシグネチャーグリルとは異なります。
このデザインはシンプルながらも力強さも感じ良いデザインです。
がちゃがちゃとメッキパーツが埋まっていないのも良いですね。
私はホンダも好きなのですが、複雑な造形やメッキパーツなどでゴテゴテしすぎる車はあまり好きではありません。MX-30の様なシンプルだけで大人っぽく格好良い車というのをホンダも見習って欲しいです。(新しいオデッセイはシンプルで素敵だと思いますし、FITもシンプルで良いデザインだと思います)
エアインテークが必要ならば大きなグリルを装着すべきだと思いますが、不要ならばこういうグリルで良いと思います。そして、深い堀のある顔つきは精悍で格好良いと思います。グリル部分が狭くなったことで、車全体の鋭い印象が生まれたのかなと思います。
全体的にシンプルなのですが、ボディーと異なる色のルーフやピラーを選ぶ事ができるのが、この車のさらに良い部分です。以下のサイトを見ていただけると、カラーリングの良さやボディー全体のシンプルながらもオシャレといっている理由が理解いただけます。
ルーフやピラーの色は自由に選べるわけではなく、いくつかのパターンから選ぶことになるのですが、こういう選択肢を儲けてくれていることはとても良いと思います。
パーソナライズとまではいかないまでも、少しでも自分らしさを出すことができますし、高級感も出ていると感じます。
それでいてボディ下部の樹脂ボディーもSUVらしい雰囲気を出しています。しかし、これだけ流麗なボディーなのでフェンダーの形は丸で良かったのではないかと思ってしまいます。CX-30がタイヤに合わせて丸いフェンダーなので差別化したのでしょうか?
リヤウィンドウが寝ているのは流麗なボディーデザイン見えるポイントの一つではあるのですが、もう少しSUVらしく起きてても良い様に思います。これでは後方視界も悪そうです。今時は電子式のバックミラーだったり、バックカメラが装着できるので、問題になることはないとは思いますが。
とは言え、購入予定の人は後方視界はしっかり確認した方が良いと思います。
上品な内装はカラーリングもオシャレだし、センターコンソールが特徴的
シートは合皮とファブリックの組み合わせの素材を選べるので、高級感・オシャレ感が高いです。こういう部分が抜かりない車作りは評価したいです。
輸入車だとオシャレな内装の車が、安価な車でも多いですが、これまでの国産は真っ黒で樹脂で...という車が多かったですからね。
センターコンソールも輸入車っぽいですね。ダイヤルがそう感じさせてくれます。
エアコンの操作パネルも液晶が使われている様で高級感を感じます。
しかし、シフトレバーは従来の普通のタイプがよかった...かな。
私は、AT車でも自分でシフトチェンジして運転したいという特別?なタイプだからそう感じているだけで、普通にATで運転するだけなら気にならないと思います。
しかし、この横長のモニターはどうでしょう?
ナビはむしろ縦長の方が都合良いと私は思います。
縦長モニターの車といえば新しいレヴォーグがまさにそうです。
この辺は長時間乗ってみないとわからない部分ですね。
エンジン e-SKYACTIV G はもう少し燃費を頑張って欲しい
2Lで 156ps/20.3kg というスペック自体は全く不満はないです。
1.5トンの車重を運ぶのに十分だと思います。さらに快適に走るためのマイルドハイブリッドも搭載されているのも良いと思います。
しかし、WLTCで15.6kmというのは少々不満の残る数字だと思います。
悪い数値ではありませんが、褒められた数値ではないと思います。
輸入車と違ってハイオクではなくレギュラーガソリンである点は良いですが、18kmぐらいは走ってもらいたいと思うのは贅沢でしょうか?
単純にSUVブームに乗っただけの車なのか?
CX-30がありながらのMX-30。これはマツダとしてどういう意図なのか?
私はそもそもの成り立ちを知らなかったのですが、MX-30はEV用として作られた車とのことでした。ただし、EV専用という訳ではないので、先行してe-SKYACTIV Gが発売されたということでした。
EV専用ではないという時点で微妙ではありますね。自社内で競合していると思いますが、トヨタの様に異なる名前の同じ車があるより普通のCX-30と、フリースタイルドアで特徴的なMX-30を出してくれる方が100倍良いですw
EVは2021年に発売予定とのことですが、コロナ禍でどうなるのでしょうね。
ただ期待はしたいです。それぐらいMX-30のデザインやオプション、カラーリングなどとても良いと思っています。
EVを待たずにe-SKYACTIVE Gを買った方が良い理由
SUVでEVを出すという心意気には先ほど感心したばかりではありますが、ふと疑問に思いました。
SUVに乗ってアウトドアを楽しむ人の多くは遠出する様なシチュエーションだと思います。私もキャンプをしようと思ったら高速道路を乗ってx時間かけて...という感じになります。もちろん近くのキャンプ場もありますが、あんまり近くのキャンプ場って行かないですよね。
そういう使い方をするSUVがEVで、走行距離があまり長くなかったとしたら...と思うと、MX-30が欲しい人はEVを待たずにe-SKYACTIVを買って良いと思います。
大体キャンプ場の近くにEVの充電設備が充実している可能性は正直低いと思います。
不安な気持ちを抱えてEVでキャンプというのは正直ないでしょう。
さらにマイルドハイブリッドではなく通常のハイブリッドで、電気も快適に使う様なキャンプの方がスタイル的にはあっている様な気がしますね。
CX-30の出来も良いので、同一メーカー内でシェアの取り合いにならないだろうか?
CX-30のデザインも私は好きです。
MAZDA3ももちろん好きなのですが、MAZDA3はスッキリしすぎて特徴が薄くも見えます。CX-5は逆に縦のボリュームがありすぎると感じるので、CX-30ぐらいのボディーの塊感(まとまり感)が好きです。さらに、純正エアロもゴテゴテしすぎないのが良いと思います。
MX-30もCX-30もどちらも良いデザインなので取り合いがどうなっているかを調べてみました。
9月時点の新車登録台数は以下の通りです。
CX-30 25位
MX-30 50位
10月はというと、CX-30は32位だがMX-30はランク外でした。
ちなみにMAZDA3は36位です。
以下の理由ではないかと想像しています。
- クーペフォルムではなくしっかり4枚ドアのある車を望んでいる
- 同じSUVでも安価な車を求めている(最低グレードはCX-30の方が安価)
正確な理由は不明ですが、現時点でMX-30はCX-30ほど支持されていないようです。
そもそも月1,000台を目標にしている様なので、あまり大きな数字を狙っていないということからも、市場のニーズとしてそれほど高いとはマツダも思っていないということなのでしょう。
EVが出てからこの様子がどう変わるのか注視してみたいと思いますが、アウトドアでも使う想定でこの車を考えている人なら、EVではなく今のマイルドハイブリッドを買った方が幸せになると思います。