私はプログラマーとして社会人デビューし、その後システムエンジニア、コンサルタントという一般的な流れで、行き着いた先は情報システム部なわけだが、これまで文章を書くための能力を高めるためのビジネス書を読んだことがなかった。
しかし、現在の情報システム部では、部内・部外への説明資料や役員への説明資料などを作る機会が多い。
もちろん情報システム部の前も、システムの設計書を書いたり、お客さんへの説明資料などを書いたりする機会は多かったが、以下のようなA3一枚にまとめるような資料を作ったことはなかった。
しかし、忙しい?役員への説明資料については、A3一枚で作るように言われており、結構苦労している。
苦労する理由は?
伝えたいこと=作るべき資料 というのはイメージは湧くと思う。
ただ、A3一枚という限られたスペースで、その全てを伝えることは正直不可能である。
大抵役員に説明するのは、数億円のプロジェクトについてだからだ。
コスト・スケジュール・目的・リスクなんかを書くわけだが、説明を省き視覚に訴えるには画像を使わざるをえない。
画像を使うと文字を書く場所は限られるし、量も限られる。
それだけでなく、文字を沢山書きすぎると、時間が足りなくなってしまうし、沢山書くために文字を小さくしすぎると見てももらえない。
そういったことから、いかに伝えたいことを限定してまとめて記載し、さらに画像を使うことで、読み上げることなく視覚で捉えられるようにするか?と言ったことがポイントになる。(いや、私がそう思っているだけであるが)
短い文章で要件を伝えるべし!
絵はもちろん重要であるが、それ以外に文章も書く。ただ文章が長いと読んでもらえないし、読んでもらえたとしても何が重要なのか?何が言いたいのか?がぼやけてしまうことが多い。そういう時にこの本を読んでおくとわかりやすい文章が書けるようになるのだ。
わかりやすい文章を書くって?
一言で言えば、「わかりやすい文章」なのだが、「伝わりやすい」とかいろんな表現があり得るが、あえて言うならば「一目見て伝えたいことがわかる文章」だと思う。
しかし、そのテクニックは多岐にわたる。
それを100個ほど紹介しているのがこの本なのです。スマホで通勤時や合間時間に読んで、大体20時間ぐらいで読みました。多少読み返したりもしているがそれぐらいで全てではないがいくつかのテクニックが印象に残っている。
「短い言い回しを選ぶ」は基本!
文章を短くするために、すでに四苦八苦していてある程度身についてきているとは思うが、A3一枚にまとめるためには、短言い回しを選ぶ必要がある。
この本のいいところは例示が多いことだ!
<<悪い例>>
彼女の事務所と協力して調査を行う。
<<良い例>>
彼女の事務所と協力して調査する。
たったそれだけ?と思うだろうが、A3一枚にまとめるには本のわずかな文字の削減が重要となることがある。そういう時に当たり前のように良い例で説明されている方の文章が書けるようになっていると構成がやりやすいし、そもそも読みやすい。
これは私も当初はかなり苦労した。というのもこれまで作成していたパワーポイントのプレゼン資料はともかく、システムエンジニアだった頃の設計書では全く意識する必要がなかったからだ。いや、今となっては恥ずかしいことだが、むしろ長い文章を書くことに当時は満足をしていたように思う。プログラマーやシステムエンジニアの方にはそういった方が多いのではないだろうか?
たとえメンバーしか見ない資料であっても、読みづらいより読みやすい方が良いに決まっているのである。そういう技術を身につけることはビジネスマンにとっては必須ではないだろうか?私は40代半ばにしてようやく気がついた。遅いと思うが気がつかずに退職するようなことがなくてよかったと思っている。
「余計な言葉は省く」も基本!
以下はわかりやすい例だが、意外と伝える必要のない余計な言葉は入れがちである。
私自身もこのブログの文章を見直すと恥ずかしい限りである。
<<悪い例>>
自分のアイデアを盗まれるのは、基本的には、腹立たしいことだ。
<<良い例>>
自分のアイデアを盗まれるのは、腹立たしいことだ。
これも基本の「き!」の内容であるが、意識しないとスルーしてしまうことが多い。
こういった技術が100個ほど解説されているのが、
である。